性愛(揺らぎ)
恋に身を沈めると、
相手の吐息に耳を澄まし、汗ばんだ体温に懐かしさ情熱を感じ、
けれど、どれほど深く唇を重ね、舌を絡め合っても、
そこには、最後まで越えられない一筋の境界がある。
指先が柔らかく滑る隠された場所へ、腰が無意識に動き求める深さ、
だからこそ、エロスは尽きないのである。
もし完全にわかり合え、溶け合えたなら、
触れてもなお、熱く濡れた内側に届かないものがある。
見つめてもなお、
そのわずかな隔たりが、もう一度強く触れたいという衝動を生み、
成熟した愛とは、相手を支配することでも、
二人の孤独を抱えたまま、その孤独を、
そのとき、人は相手の熱い内部を通して、
昨日までの自分は静かに崩れ、新しい自分が、
まだ誰にも触れられていない肌のように、ゆっくりと、
エロスとは、肉体だけの歓びではない。
決して一つにはなれない二つの生命が、
何度でも互いを求め、腰を重ね、奥深く探り続けること。
愛とは、相手を失うことでも、自分を失うことでもない。
その危うい均衡の上で、自分という存在を何度も脱ぎ捨て、
キュレーター紹介
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