その他

からだと向き合う

 常日頃、じぶんの体型は緊縛に不向きだったりするのだろうか?と、疑問におもっていた。

 下半身にけっこう厚みがあって直立すると肉がぴったりくっついて縄を通しにくいし、胸は小さくてどこが縄をあてるベストポジションなのか分かりにくい。人よりも腕は長めで関節が柔らかいから後手縛りでなんとなく苦戦されている気がする、など。

 ストレートに質問すると「受け手さんがきもちよくなるよう縛れるかどうかは縛り手次第で、体型は関係ないんだよ」とやさしく嗜められてしまうが、道場での練習や緊縛ショーで他の受け手さんを観察する日々は続いた。

 数ヶ月かけて、「やりにくくないですか?」「手の位置をこうしてほしいとかありますか?」など伺いつつも、並行してじぶんの悩みを小出しにしてきたのだが、すこし前に五反田教室で生徒さんに縛られながらようやくはっきり悟った瞬間があった。

 ……あっ、今のままだとじぶんが「こうなりたい」とおもう状態になれないかも、と。

 実は、その日に初めて後手縛り&逆海老反りのかっこうになったのだけど、「もっと反りたい」とおもうわたしのきもちに、身体の筋肉がぜんぜん追いついていなかったのだ。じぶんこんなに硬かったっけ?と、衰えた背筋に絶望した。背中と腰にぐいぐいくる拘束感が、それを責めて(攻めて)いるようにもかんじて、「ああっごめんなさい」と内心あばれていた。いや、それはそれでかんじてしまうのだけども。

 縛り手の技術や対応に不満があると言いたいのではない。あくまでも、「こうなりたい・されたい」と想像しているじぶんの理想に、この器(身体)ではたどり着けないとかんじてしまったのだ。生徒さんは刻一刻と練習を重ねて上達するのに、わたしってば……と。
 
 なので、これからは、身体の鍛練を少しずつやっていこうとおもう。美しさを磨くモチベーションができた、というお話だ。

キュレーター紹介

五反田道場の縄受け手。猥談バーの民。なんでもありなフェチフェスのBlogでライターをしています。

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