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「裸」の美術鑑賞

フランス国内には全裸での生活を主義とするヌーディストは、およそ260万人以上いるとされ、フランス各地には、プールや体操教室などでも裸で過ごせるヌーディストスポットが約460か所あるといいます。
昨年夏には市内の公園に、ヌーディスト区画が新設されたり、昨年11月には本格的なフランス料理を全裸で食べられるレストランがオープンしたほど。
パリのど真ん中にいて全裸で本格的なフランス料理を食べているなんてちょっとシュールな光景ですね。

そんなヌーディストの集まるフランスでは今月5日、パリの美術館「パレ・ド・トーキョー」でヌーディストを支援するための鑑賞会が開催されました。
参加者は全員裸で入場し「DISCORD(不一致)」をテーマとした展示をそのままの姿で鑑賞。

全裸で作品を鑑賞した入場者は、「とてもいい雰囲気だった」と振り返り、最初は少し恥ずかしい気持ちもあったものの、ヌードになったおかげで芸術作品が違って見えたと話しているそうです。

数々の展示が規制される日本では考えられない話ですが、本来日本でも昔は「ヌード」は恥ずかしいものではなかったのです。
江戸時代までは、夏の庶民はふんどし一丁であったり、湯上がりの女性が浴衣の帯をきちんと締めずに歩く姿も日常の光景だったようです。
幕末、訪日した欧米人は、公衆浴場が混浴で、男女が入り乱れ互いの裸体を気にしないでいることに驚いたといいます。

開国後、西洋人に驚きと欲望と蔑みの視線で、まじまじと裸体を見つめられたことで、日本人の意識の中に「裸」があがってきたことにより、日本人自らも他人の裸を意識するようになり、日本でも裸は恥ずかしいものとなりました。

私的な空間以外では肉体を隠すようになった私たち。
もともと性に寛容であった日本人は「裸」「性」をタブー視することで性的関心を抑えるようになりました。
また、日本の性教育はとても遅れていると言われています。

いつのまにか抑圧された日本の性のイメージが改善し、健全に楽しめるように「性改革」が必要なのかもしれませんね。

 

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